急な激痛の「ぎっくり腰」、絶対的に安静が良い薬とされ、痛みが治まるまで動かない事が一般的な認識です。一般的な認識のみならず、医療の現場においても普遍的な常識としてとらえられていることが多いです。
医学的な根拠として、1つは仰向けで寝ることで腰の痛みが楽になること、2つ目は腰の椎間板の圧力が横向けの姿勢で寝ることで低くなり、症状が緩和するという理論から来ています。しかし、事実と相反することが多いです。
ぎっくり腰になった事のある人でこんな経験ありませんか?
●病院で「安静にして下さい」と言われ、じっと寝ていても痛みが全然治まらない
●寝ているより、立っている方が楽
●座った状態や、立った状態で壁に寄りかかった方が楽
こんな事が良く臨床の現場では見られますし、ぎっくり腰の患者様のほとんどの方は、仰向けに寝ても腰の症状が少ししか楽になっていないです。また、横向きの姿勢なってもらうと痛みが増します。
「座ったり、立って寄りかかっている状態」という事は椎間板の圧力が高い状態のはずです。しかし、実際の現場では逆に症状が緩和される状態がみられます。このように、「安静」という考え方には疑問を感じます。
最近では、ぎっくり腰の治療でベット上での安静は好ましくないとよく聞きますし、雑誌やネットでもよく取り上げられています。しかも、昔はぎっくり腰の治療は、安静を治療としてでなく、激痛で動けないためやむをえない手段としての安静があったようです。
でも、いつの間にか安静が治療の第一と考えられるようになってきました。ぎっくり腰で長期安静による機能の低下の問題を考えますと、痛みが軽くなったらできるだけ積極的に動いて、日常生活に少しずつ慣らしていった方がいい結果がにつながるように思います。
これは、ぎっくり腰だけでなく、慢性腰痛やヘルニア、坐骨神経痛での症状でも当てはまるように思います。
結論を申しますと、安静が良いという根拠はなく、動けるのであれば少しずつ動いた方が良い結果につながると言えます。