「雨が降ったら腰痛がひどくなる。関節の節々が痛い・・・・」
「雨の降る前は神経痛がひどくなるのでわかる」
よくこんな事を聞きませんか?
昔から神話のように、天気と痛みは密接な関係があると、信じられています。
結論から言うと明確な根拠はありません。
「天気が腰痛、関節の痛みに影響している根拠」を証明した科学的な解明はありません。
最近、天候と腰痛に関して興味深い資料を読みました。その資料によりますと、寒い所に住む人が必ずしも身体の痛みを訴える人が多いとか、天気が痛みに対して大きな影響があるという事はないというものでした。むしろ、暖かい地域のの人の方がかえって、気候の変動に敏感という結果が出ました。
資料は、違う地域で慢性腰痛の方々にアンケートを取り、それぞれの地域の温度、気圧、湿度、天気を比較したものです。
アンケートの結果は70%の方々は天候の変化が痛みに関係すると思っていました。また、患者さんは、「暑さや温度、気圧の変動は痛みに影響は少なく」、「冷気や湿度は痛みに影響すると感じている」という点で一致していました。
これまでたくさん天気と痛みについて「影響する」とか「影響しない」と言った説がありますが、統一した見解はないように思います。
これらから考えますと、痛みと天気の関係は「思い込み」がかなり関係している可能性があります。例えば、
●痛みの症状が悪化した時は天候の変化に敏感
●症状が安定している時はあまり天気は気にならない
こういったことが考えられます。
なぜなら、痛みが強い時は、安定している時より物事に対して印象に残りやすい傾向にあります。患者さんは、苦痛に思う事に対して予測できるパターンを無意識に探し、安心感を求めているかもしれません。
つまり、予測しずらい痛みに対して、客観的理由を求める傾向は人の心理上あたりまえのことかな?と思います。
いずれにしても、腰痛や関節痛に天候が影響する明確な根拠は現時点ではないということです。